娑婆 しゃば 身体表現クラブ

まつもと市民芸術館

娑婆 しゃば 身体表現クラブ

主催:まつもと市民芸術館

紹介

編集

倉田翠 芸術監督が、松本少年刑務所で「身体表現クラブ」を始めて2年。 月に一度、受刑者たちと向き合い、身体を通じた対話から得た着想をもとに立ち上げるダンス作品。 倉田翠コメント 松本少年刑務所で身体表現クラブの講師を務め始め2年が経ちました。毎月1回1時間、この時間を私も、おそらくクラブメンバーの受刑者たちも、とても楽しみにしています。 まず初めにお伝えしておくと、本作品の出演者は刑務所内の身体表現クラブのメンバーではありません。 刑務所内の身体表現クラブは、刑務所内で他の受刑者に向けて発表会をしています。 本作品に出演いただくのは、俳優、演出家、アーティストの5名です。彼らには少し前から刑務所内の身体表現クラブを見学しに来てもらっています。 私は、このクラブでたくさんの素晴らしい時間を過ごしました。ただ、自分が良いことをしているとは思っていません。彼らの更生の手助けをしているとも思っていません。(結果的にそうなれば良いですが) 彼らが楽しそうに話すこと、笑うこと、真剣に身体を動かすこと、感極まること、それを許せない人たちが存在するのも事実です。 そして、私は彼らが何をしたのかも知りません。 私はフィクション(舞台)を作ることが仕事であり、犯罪についての専門家ではありません。ですから、クラブの中では、現実における真偽、善悪で彼らをジャッジすることは一切していません。 刑務所の中の身体表現クラブの1時間には、様々な雑音が消えた圧倒的に生々しい身体だけが存在します。波のない海のような、幼い子供のような、全てを諦めたような、正直な身体たちを見る。 これは、彼らだけのことだと思えないんですね。私は、共感できる身体にたくさん出会いました。 5人の娑婆で生きる出演者たちと、刑務所内での時間を経て、「私たちのこと」をします。受刑者の役をすることはありません。 「娑婆」という言葉は、自由な世界のようにイメージされがちですが、本来は「苦しみを耐え忍ぶ場所」という意味です。 この世界で私たちが「正しく」生きていくことの難しさ、「正しさ」とは何なのか。自分はこちら側だと引いている線の曖昧さに向かえればと思っています。

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